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DAOの時代に、自律的に働くとは?

2023.03.15

働きごこち研究所の研究テーマとして、「テクノロジーが進化し続ける中で、人間はどう生き、働くか。組織、そして社会はどう進化していくか」を一貫して追い続けています。なぜそれをやるの?と問われたら、「好奇心ゆえ」と応えます。知りたくて、試したくて、たまらないからです。

好奇心は生きるエネルギーだと思います。若くても好奇心が低ければ枯れてしまいますし、年をとっても好奇心の高い人は若々しい。知りたい、やってみたい、という純粋な欲求から動き出すときに、楽しさが生まれてきます。この動きが生まれることで、今の仕事を変えたり、もしくはやり方を工夫して時間を創出しようとします。

DXで仕事を効率化する、というマインドになるためには、「興味や好きから、自分で何かプロジェクトを始めようとする、もしくは新しいプロジェクトに参加しようとする」というWill起点でのアクションがセットだと私は考えます。

ゆえに、DAOという名でプロジェクトをいくつか立ち上げています。日本のビジネスパーソンの「働きごこち」をよくするには、独立・副業・転職も大事だけれど、その前に自分の興味・関心のあるDAOに参加するという体験が有効なのではないかと考えるからです。

たとえば私が今年の頭から立ち上げたDAOは、「SAKE DAO」です。日本酒の蔵開きに行くことが好きで、酒蔵と街の文化が密接に関連していることを体験から感じました。しかし酒の消費量はどんどん落ち込んでおり、多くのローカルな蔵が持続可能性の危機に陥っています。「やおよろず」の国の日本。酒蔵の多様性を保つため、海外のユーザーに対して日本のローカルな旅体験や食体験を提供することをパーパスに掲げています。なぜこのDAOをやっているのか。それは「やりたくなってしまったから」です。つまりは純粋な好奇心と挑戦心。始めてみることで、課題・困難、そして面白みに気づくことができます。これは「オトナの探求学習」だと思います。子供が探求学習のプログラムになっているのだから、大人も探求学習の場が必要です。その場の一つがDAOに参加したり、プロジェクトを始めてみることだと思います。

そんな中、3月9日にトヨタ自動車のマネジメント研究会の場で「DAOの時代に自律的に生きるとは」というテーマで1時間30分の講演セッションをさせていただきました。Slidoを活用し、100名以上の方からたくさんの匿名コメントをいただきながら、僕がコメントをフィードバックしていく双方向ライブで実施しました。まさにいま、トヨタ自動車が博報堂キースリーと一緒に「企業内DAOツールのハッカソン」を実施しています。少しずつ、大企業の中でもWeb3やDAOの可能性について具体的に議論されるフェーズに入ってきたことを感じます。