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夏の疲れが出る9月です。少し足踏みしてしまいまして、メルマガの発行が遅れてしまいした(本来は毎月15日です)。

実は8月に2週間ほどヨーロッパにいってきまして、マスクなしの生活をしておりました。
スイス(各地)・ドイツ(ケルンとハンブルク)・イギリス(エジンバラとロンドン)を回ってきまして多くの見聞を得ました。3カ国それぞれ通貨の違う国でしたが、現金は一度も使わず(そもそも両替しませんでした)、サクサクユーザーな旅でした。

また、「人件費が高い国ではどのようにDXが進んでいるか」が大きな気づきでした。
特にスイス。軽いランチでも一人4000円ほどする物価の高いこの国では、人件費がしっかりと販売価格に転嫁されています。スーパーで買うと200円のものが、公園の売店では800円くらいします。
その分年収も高いわけですが、「サービスは無料」というこの国にある思い込みは全体の貧しさを引き起こすと感じました。

人件費が高いゆえにDXの費用対効果が出ます。Netflixのドラマ「愛の不時着」のロケ地で有名な山のリゾート、グリンデルヴァルトでリフトに乗ったのですが、ほぼ人間がいません。
中腹にあるレンタル自転車は回収がロボティクスで行われていました。この設備投資は「回収できる」という見込みがあるからこそできることでしょう。

片や、日本に帰ってきて羽田空港の検疫所。飛行機を降りると通路の10mおきくらいに、「MySOSの画面をご用意くださーい」とマスク越しに大声で叫ぶスタッフの方がいます。「いや、それはデジタルサインで見せておけば良くない?一日これを叫んでる仕事つらくない?」と思いながら歩く私。
事前にMySOSでPCR陰性証明をアップロードしたのでスイスイ出られるだろうと思いきや、なぜか人力でのチェック所がありました。そこには50人くらいの人間がいて、年齢層の高い臨時雇用スタッフの方が「客のMySOSの画面を見る」ためにいました。周囲を見渡すと、PC端末の使い方がわからないスタッフが、後ろに立っている若いスーパーバイザーになにか尋ねています。

そこにいたほとんどの旅行客が思ったことでしょう。「このプロセス、必要か?」と。

なにせ、そもそも陰性証明をもらっているからこそ、国外で飛行機に搭乗できているわけです。
MySOSの青色画面を用意していない人だけに並ばせて人力チェックならばわかります。なぜ「全員人力チェックなのか?」と。

「ああ、日本に帰ってきたな」と感じるとともに、「DXってなんだろう。人の仕事ってなんだろう」という疑問と嘆息で、ドッと旅の疲れが出た私でした。
同時にある仮説が頭をよぎりました。残酷な言い方だが、「スキルが低い人には、付加価値の低い仕事を用意する」しかない。「人件費が安く抑えられてしまう」がために、本来デジタル化できることでもDXをしない。DXしてしまっては、その人の仕事がなくなってしまうから。
これは2017年ころにAIの講演で「避けたいシナリオ」として話していたこと、そのものでした。

・・・ということで、「おいおい重い話すんなよ!」と思わせる書き出しで失礼しました。
そんな中でも、「どうやったらDXは浸透するのか」「人間の主体性をどう引き出すか」を考えながら、研修やコンサルテーションに知恵を絞っている日々です。正解はありませんが、私たち人間には「知恵」があります。考えよう。そして少しでも動いてみよう。完璧を目指すより、最善を。BePerfectではなく、BestEffort。これが私のモットーです。

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次回のセミナーは10月11日開催です

10月11日 14時〜15時30分。OneJapan代表の濱松誠さんをお招きして、「社内有志活動は企業変革のドライバーになれるのか?」というテーマでガチンコトークします。「志あるひとで会社を変えたい!」という思いを持つ方にも、「会社が変わらない」と悩みを持つ方にも、気づきと勇気を得られる場となるでしょう。録画アーカイブ配信はありません。当日のご参加をお待ちしております。

社内有志活動が企業変革を成功に導くシナリオと、失敗に終わるシナリオの分岐点はどこか?

硬直化した縦割り組織を変えるパワーの生み出し方

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今月のウィズダムレポート 「社内有志活動」を手段に変革に挑む際、会社側が気をつけるべきこと

「有志活動でプロジェクトにしましょう」と、我々のような組織変革を支援する立場の人間もよく言うのですが、始めることは容易でも、実際に成果を出すのは実にハードな道のりです。今回のウィズダム・レポートでは、社内の有志活動を手段に変革を行ううえで、会社側(経営陣及び事務局を務めることが多い人事)が気をつけるべきことを述べていきます。

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OneJapanカンファレンスに登壇します

10月23日(日)にリアルとオンラインの両方で開催される「変革」をテーマにしたカンファレンスです。会場は秋葉原。藤野は12時〜13時のセッションで「リアル登壇」します。お申し込みはこちらから!

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9月〜10月のポッドキャストはキヤノンと日本IBMのDXのお話

伊藤織江さんと藤野がパーソナリティを務めるポッドキャスト。Translation for transformationをコンセプトに、私達の仕事や組織のTransformation〜変革〜に活かすヒントを隔週更新でお伝えしています。移動中の30分にどうぞお聞きください。

#005 知財から考える企業変革(1) ゲスト:キヤノン分目衣香(わんめきぬか)さん

#006 知財から考える企業変革(2) ゲスト:キヤノン分目衣香(わんめきぬか)さん

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