News 働きごこち研究所
meets プロフェッショナル

外側から見た働きごこち研究所って?
代表の藤野貴教ってどんな人?
各界を代表するプロフェッショナルが、
藤野について自由気ままに語ります。

INTERVIEW#004

心の価値を大切にする生き方。
葛藤を乗り越えた先に、
心地よい毎日がある。

2016/10/05

インタビュー風景写真

辻さんが主催されている
ワークショップに藤野さんが
参加されたのが、
おふたりが親しくなったきっかけだと
聞きました。
もともと医師だった辻さんが、
セミナーやワークショップを
開催されるようになった
理由は何でしょうか。

辻さん)B to Cの仕事も大切ですが僕が興味があるのはB to Bなんです。だからセミナー屋さんと言われるのはあまり好きじゃない(笑)。僕はドクターなので、会社の風土やチームづくりも結局は「個」であるという信念があるんですね。「個」が変わらないと組織は変わらないと思ってるんですけど、「個」を対象としたセミナーということが目的ではないというか、ひとつの手段なんですね。プロ野球選手とかJリーガーとかお相撲さんとか、さまざまな選手が来ますけど、僕はドクターなので「個」にきちんと対応したい。

講演の依頼も多いんだけど、講演の最初に「今日の話を聞いていただいても何も変わりませんから」って言ってるくらいで、僕はトレーニングが好きなんです。だって、スポーツの現場で講演の依頼はありえないんですよ。練習前にちょっと講演してくださいなんていう依頼は絶対にないんです。どうしてかって言うと、それじゃあチームは変わらないってことはみんなわかっていて、結局は継続して練習することで初めてチームや組織は変わるから。という前提があって、継続的なトレーニングの場を設けたいというのがワークショップを開催している理由かな。

以前、ジャパネットたかたの高田社長が、会社の風土改革とか人材育成をやりたいからメンタルヘルスの専門家じゃなくて、メンタルタフネスでパフォーマンスを上げるような人材育成をする人はいないのかとって言って声をかけてもらったことがあって。当時、週刊ダイヤモンドに「スポーツ心理学をビジネスに生かす」という連載をしてたとき、それを社長がお読みになってこいつ面白そうだから会いたいと連絡をいただいて、実際に会って僕の思いをしゃべったらトレーニングなんだよねやっぱり、ということを言ってくださった。

僕はもともとスポーツ心理学から学び始めて、応用心理学、ラリーバッサムのセルフイメージ論、チクセントミハイのフロー理論など合わさって今の理論にたどりついたんですね。いろんな現場に行くとそうした考え方を教えてというニーズは高いし、だけどいわゆる知識のセミナーをやっても人は変わらないのはわかっているから、どうやればいいのかといろいろ考えていた中で、とあるスポーツ心理学のワークショップみたいな会に参加したんです。そしたら、絶対俺がやったほうがおもしろいしって思ったの(笑)。この内容でみんな来るのかーって思って、それだったら俺がやろうかなと。それまでは個人のトレーニングか、個人のトレーニングを組織でやってるところにだけフォーカスしててセミナーとかワークショップには興味なかったんだけど、自分で開催すればもっと意味があるものができると思ったんですね。

どういった方を対象に
スタートしたのですか?

辻さん)この仕事を初めた頃のクライアントはスポーツ会の人たちが多かったのだけど、スラムダンク勝利学を出してからは、それを読んだスポーツ以外の人たちとのコミュニケーションが増えてきたんです。今もそうなんですけど、基本的にご縁でしか仕事をしないというスタンスがあるんで、ワークショップを始めようと言ってもどうやって人を集めればいいかよくわかんなかったから、第一期を開催するにあたっては、こちらへの興味度合いで声をかけていったんですね。

例えば、タグラグビーのトレーニングや日本ラグビーの分析とかをやっているユニークな方や、企業で講演したときに僕に興味を持ってくれた方、別の勉強会で声をかけていただいた女性。ほかには、その頃に僕が掲げていた「健康はひとつの経営資源」だというキーワードに興味があると言われ会うことになったコンバースのフットウェアの社長に、もうすぐワークショップをスタートするんですけどどうですかと誘ったら来てくれたり。というようなメンバーでスタートしました。

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最初からスポーツとは
関わりのない人も
多かったたんですね。
ちなみに藤野さんが辻さんを
ご存知になったきっかけは?

藤野)僕は、自分を「ごきげん」にする方法という本で辻先生のことを知りました。読んですぐに、この人に会いたいと思ってワークショップに足を運びましたね。

辻さんは、最初に藤野さんと
会ったときのことは
覚えてらっしゃいますか?

辻さん)もちろん。僕のワークショップに来る人もいろいろいるんですよ。まずは、すっごく認知的な脳が長けている人。認知的な脳というのは論理思考とか分析思考とか、いわゆる仕事ができる思考ですよね。この人たちは、僕がやろうとしてること、心がマネジメントする脳という考え方が全然理解できないタイプ。言ってるとおり素直に聞いてくれって思うのに、いやしかし、と返ってくる。頭はいいんだけど固い人ですね。次は、スピリチュアル的な人。世の中はココロが大切ですよね!と語る人に、先生ファンなんですって言われても、ちょっと違うんだけどなーと思うんですが(笑)。あと、ポジティブシンカーも多いですね。僕のはポジティブじゃないです、自然体。なんだけど、人生ポジティブですよねー!みたいな人に好かれるんですよね。一緒と思われちゃうんですけど、ぜんぜん違うんだけどなーと。ポジティブシンクって裏を返せばネガティブと表裏一体だから、上ったあとはすごく反動があるんですよね。週末はポジティブだーってなってたのに月曜が来るとガーっと暗くなってるんですよみんな。そういうタイプの人は過去に鬱になったりしてるケースも多いんですね。

認知に長けてる人、スピリチュアルな人、ポジティブシンカーの人たちがいて、あとは、なんとなく僕がやろうとしてることを、ファジーだけど興味がある人。最初藤野くんが来たときは認知に長けてるタイプだなと思ったんですよ。頭いいし。絶対論理的だなと。で、認知に長けてるタイプの中でも2種類いるんですね。論理的に考えながらも僕の言おうとしてることを理解しようとする人と、論理的に抑えこんでいこうとするタイプと2種類いるんです。

藤野くんは、僕の考えてることを超理解してるなって、ワークショップで会ってすぐに思いました。僕のライフスキルってコーチングのように行動解決型でもないし、無理やりポジティブになるんでもなくて、ただ気づいて考えるっていうもの。でも、ただ気づいてただ考えればいいんですねっていうことが、すぐに腑に落ちないんだよみんな。頭のいい人って捏ねるの得意だから、ただ考えるだけでいいなんて俺の人生にはない、と。ただ考えてそんなことがソリューションできるはずがないと。僕が言ってるのは、ただ気づきただ考えるだけで心が整うのであって、みなさんが得意な認知の脳は外に向けてソリューションすればいいということ。気づいて考えるのは心を整えるためのもので、自分の機能を上げて外と勝負しなければいけないのに、みんな外と勝負する脳ばっかりが長けてるんですよ。

だからその新しいメソッドをみんな学びに来てるわけですよ、なんかいいソリューションないかなって。それはここで教えてることとは違いますよって言うんだけど、みんな新しいメソッドが知りたいっていう頭で聞いてるから、ただ考えて気づくだけで自分の機能が上がるとして、それで何ができるのっていうfor do itの考え方になる。do itを否定しているわけではないですよ、この世の中はdo itだから。要は大義的に言うとjust do itなんです。ただそれをやればいいのに、みんなコネコネdo itしてるから、捏ねてるなーって思いながら見てる(笑)。僕のワークショップではその捏ねる前のところをつくるのが目的なんだけど、みんなdo itのソリューションを求めて来てるから、頭のいい人ほど自分のソリューションがあるし自分のストレス解消法持ってるから、理解するまでに時間がかかるんですよ。藤野くんも手強そうだなと思ったけど、すぐに、この人はちゃんと理解してるなあと感じました。

出会った数年前と今を比較して、
藤野さんの変化って感じますか?

辻さん)それは僕も含め、誰もが同じ悩みを持つんですけど、例えばスポーツのチームで、勝つために心をつくるっていうトレーニングをしても、油断するとベクトルが反対方向に振れちゃうんですよ。人間の脳っていうのは結果が主体となって生きてるから、どうしても心のベクトルが薄れてきちゃう。結果の思考って、心づくりと真逆な感じなんですよね。人間性と効率、結果とプロセスみたいな。だけどそれでも断固たる決意で心のありようが大事なんだと貫くと、その向こう側には結果が出てくる。人間性の向こうに成果もある、効率もある、みたいなことが見えてくる。

でも結果に重きを置くほうが人間の宿命として強いから、そこに向かう手前で、諦めちゃう人が多い。藤野くんで言うと、会社も経営してるしコンサル出身だから結果思考も強いし、論理偏重になりそうな中で心に寄せていこうとする狭間で生きてるのが伝わってくる。彼は心が大事だというのはよくわかってるんですよ。でもやっぱり論理的思考も大事ってなってったときに、気づかないうちにベクトルが反対になっていって、そこでもがいてる感じがする。

藤野)時間かかるんですよね。だからそれを僕と一緒に待ってくれる人ってなかなかB to Bの中でいなかった。

辻さん)そうなんですよね。断固たる決意でやらなきゃいけないんですけど、やっぱり、お金だったり成果だったり先立つものも大事だから、どうしてもそれを貫くって難しいんですよ。今の僕だったら、論理的思考のほうを求められたらじゃあやめるって言えるけど、まだ藤野くんはon goingのところだし、そこまではできにくいんですよね。僕がじゃあやめるよって言えるのは、これまでがあるからね。僕だって若い頃は言えなかったし。心の側が大事なことはわかってるけど、でも、どうしてもというのはわかるし、藤野くんの苦悩と葛藤は伝わる。

過去にご自身も
経験されてきたことだなと。

辻さん)そうだね。それはずーっとみんな葛藤なんですよね。僕のワークショップの参加者で、外資系保険会社のトップ営業マンだった人がいて。その人は「日本一の営業マンになることは全然難しいことじゃない」と言っていたんです。そこに向かってすべきことだけをやる、それ以外のことをすべて捨て去って行動していれば達成できるんだと。実際に彼は日本一の結果を出し続けていたんだけど、でも全然幸せじゃないんですよ。来年もまた周囲に期待されて1番を取り続けることが幸せなのか、このままでいいのかと苦しくなってきたときにたまたま僕の本を読まれて、ワークショップに来た。

本を読んで、心とか質とかを概念的には理解してても、本当に自分のものとして腑に落ちるというのはなかなか難しいんですよ。量と質は違うものであって、別の概念だと思ってるから。質を突き詰めれば量をも凌駕できるって僕は思ってるんですけど、そこまで断固たる決意を持てるには時間がかかるんですよ。これまでみんな量でやってきてるから。日本一の彼も、僕のところに来て初めて納得した。心も大事にしていれば、いい方向に向かうんだって。でも僕のワークショップの初日2日は全然腑に落ちてなかった。でも、3日目のお昼過ぎくらいにふとわかったらしいんですよ。先生が言いたいことは、俺がやりたいこととまったく別のところにあることで、だけど結局は成果につながるってことをこのおっちゃんは言いたかったんだっていうのがいきなり腑に落ちたらしくて。それからずっと彼は心を大事にすることもしていれば結果は付いてくるってことをすごく大切にしてて。成績は3〜10番くらいをキープしてるかな、別に1番じゃなくてもいいんだと。

藤野)そのほうが長持ちしますよね。

辻さん)そうなんですよ、サステナビリティが大事なんです。人生と試合は長いので。みんな、人生は学校時代の試験と思ってるから。3日徹夜して試験通っても人生長いから、また続いていくわけ。だから100点取ったあとにいきなり落ちて20点になって平均60点で行くよりは、平均して70点を取り続けているほうが勝つんですよ。それに気づいてるのが吉田沙保里選手とかイチロー選手。自然体なんです。

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辻さんが今後の藤野さんに
期待されていることって何でしょうか。

辻さん)僕は、認知的な脳と、心の状態を大切にするライフスキル的な脳とをバランス良く生きてる状態の人をバイブレイナーと呼んでるんです。本当はみんな人間バイブレインする力を持ってるんですけど、世の中が認知的だから、どうしても心の状態を大切にするという側の脳が縮小してしまうんですよ。だからそちらを意識的に使わないといけない。バイリンガルになろうと思っても、日本にいると日本語しか使わないし、英語が大事だとわかっていても英語をやらなくても生きていけちゃうことと同じ。モノリンガルで、モノブレインで生きていけちゃうんです。

もしこれがスポーツだったら負けるんですよ。今の時代じゃなければ死んでるんですよ。昔は、とらわれているやつから死んでいったから。でも今は生き残れちゃうんですよね。だからこのままだとモノブレインが増え続けるから、バイブレイナーが増えていかないと日本が潰れちゃうと思うんですよね。人口でいうと日本はどんどん数が少なくなっているから、質について語れるバイブレイナーが増えなきゃいけないと思っている。それはどの分野でも増えればいいなと思っていて、あまりそう簡単にはいかないけど。僕は組織構造は2-6-2の法則だと思ってるんで、まあ2割の人がそうなればいいなと思ってるんだけど、できれば8割の人をひっくり返したいなと。

言うなれば、僕はいつもオセロゲームをやってる感じなんですよね。僕は白で、まわりは真っ黒なんですよ。黒が多すぎるから白を置いてもすぐ黒に裏返されちゃう。だから、僕は絶対に裏返らないようにオセロ盤のカドを取る。世の中には、僕と同じようなカドのやつもいるんですよ。で、藤野くんにはカドでがんばってほしいと思ってます。でもまだたぶん裏返される可能性があるから、今は盤の端あたりかな。白が大事だとわかってて白であろうとしてるんだけど、なんかあるとひっくり返されるかもしれないとは思う。

あと、この考え方を論理的に伝えていくためには認知に優れた人が理解する必要があると思っていて。広がるためには社会的影響が必要だから。その力は藤野くんはすごく持ってるから、オセロ盤のカドを取って、伝える側として走っていってほしい。僕が今ワークショップで教えている内容は人間みんなものものだと思っているし、自分で掴んだ人が勝手に広げてくれればいいと思っているから、ぜひ勝手にやってくれという感じかなあ(笑)。

ただ、全部が全部バイブレイナーでいることを意識しなくてもいいんじゃないかなっていうふうにも思うんですよね。藤野っていう人物がバイブレイナーとしての生き方みたいなものを伝えたり、仕事として働きごこちのいい会社をつくることが仕事だというのはすごく意義があると思うけど、例えばクライアント相手だと、あちらは仕事だし論理的だし認知的だし成果主義だし、すべてを伝えるのは難しい。だから相手に合わせて、適度に、論理的思考と心の価値の真ん中あたりでがんばっておけばいいこともあるんじゃないかな。そのうちクライアントの中から、藤野くんに共感するスーパーフローカンパニーが出てくる可能性もあるし。仕事相手、プライベートの仲間、家族、相手が違えば伝え方は違ってくるし、それぞれに適したつながりがあればいいんじゃないかなって思うから。どのシーンでも心の状態の大切さを体現しなきゃと思いすぎちゃうとどうしても認知の暴走のリスクがあるから、バランスよくやってればいいんじゃないかなって思うんです。

伝える側の人間として、
認知能力の高さのほかに
必要な能力は何だと思われますか。

辻さん)全然論理的な回答じゃないけど(笑)、感覚で言うと、言葉も含めて表現力としての論理思考があること、これがまず大事。あとは、心の部分って感覚だから、こういうことに対する理解というのは体験学なので、理解が早い人の理由は過去にあるんですよ。よく、どういうタイプの人が先生の考えをよく理解するんですかって聞かれるけど、共通性なんてまったくないんです。ただ、過去の生い立ちの何かに、こういうことを理解する感性の秘密があるんだろうなって思う。

ということと、もう一個挙げるとすれば、あまりいい日本語がないけれど、めげにくい感じ。ふつうの人って、やっぱりめげるんですよ。なんとなく違うことのふたつの大事さを考え続けるということに。論理的思考も心の価値も大切、それらのバランスが整っていることが重要だという生き方を貫くのは、すごくエネルギーがいるんですよ。そこが、めげなさそうな人には伝える力があると思うし、藤野くんもめげなさそうな感じがある。論理的思考が強い人は心の価値を見なくなるし、心の価値に重きを置きすぎている人はスピリチュアリズムに走っちゃうから伝えるのが苦手なんですよ。だから論理的思考を持った人、認知能力の高い人が、心の価値に気づける人にならないと継続しない。 藤野くんはそれがありそうな感じがしますね。

「新しい価値観を、
伝える側に立てる人」

辻 秀一さん
Shuichi Tsuji

スポーツドクター
株式会社エミネクロス代表
NPO法人エミネクロス・スポ-ツワールド代表理事

辻秀一さんとのツーショット写真

北海道大学医学部卒業。パッチ・アダムスとの出会いにより、人の病気を治すことよりも「本当に生きるとは」を考え、人が自分らしく心豊かに生きることのサポートを志す。そのヒントはスポーツにあると閃き、慶大スポーツ医学研究センターでスポーツ医学を学ぶ。 1999年に株式会社エミネクロスを設立。スポーツ心理学を日常生活に応用した応用スポーツ心理学をベースに、個人や組織のパフォーマンスを最適・最大化する心の状態「Flow」を生みだすための独自理論「辻メソッド」でメンタルトレーニングを展開。プロバスケットボールチーム「東京エクセレンス」創始者。「スラムダンク勝利学」など著書多数。
http://www.doctor-tsuji.com/

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